ファンなら知っておきたいWARの見方
近年プロ野球でもセイバーメトリクスが定着しつつあります。
ファンにとっても様々なデータ指標があることでプロ野球を見る楽しみが増えると思います。
簡単な指標としては、投手のQS(クオリティ・スタート)や打者の出塁率やOPS(出塁率+長打率)などがあります。
ちなみに勘違いしている方が多いのですが、長打率は1打席当たりの塁打数の期待値のことで2塁打以上を打った打率のことではありません。また、近年はより複雑な計算で求める指標も増えていますが、その代表がWARとなります。
プロ野球ファンであれば聞いたことがある方も多いと思いますが、きちんと説明できる方は少ないのではないでしょうか。
WARとはWins Above Replacementの略で打撃、守備、走塁、投球を総合的に評価する指標になります。WARはある選手が代替可能選手(ベンチの控え選手や2軍の選手)の代わりに出場した場合、何勝分多く勝利を上積みしたかを表す数値です。最大のメリットはこれまで別々に評価されていた投手と野手を1つの指標でまとめて評価できる点です。
算出方法は様々な機関が提案していますが、FanGraphsが提案しているfWARとBaseball Referenceが提案しているrWARが有名で一般的に使われています。
一般的なレギュラー選手が1年間出場した場合のWARは2.0程度になりますが、控え選手など出場試合数の少ない選手のWARはブレが大きくあまり参考にはなりません。
具体的な算出方法はwRAAやUZRなどを用いるためとても難しいですが、一般的なファンであれば、WARとは投手と野手を同じ土俵で評価し、どの程度勝利に貢献したのかという値であるという認識をしていれば十分でしょう。